超有名な名作映画『レオン』です。
『マイティ・ソー』(関連記事:マイティ・ソーのレビュー)でナタリー・ポートマンを『ブラック・スワン』以来で観たので、
ナタリー・ポートマンといえば、『レオン』だよなと思って気軽に観てみたら、
ちょっとなんていうか、うまく言えないけど、気持ちの整理が全然つかない。
若い時に、完全版が出る前に一度観て(たぶんVHSだったと思う)、
完全版が出てからも観て、多分今回で3回目か4回目の視聴だと思うんだけど、
気軽に観たりしてはいけないやつだったし、年をとってから観たら完全にダメなやつだった。
レオン未見の人にストーリーを説明すると、
荒れた家庭の娘のマチルダ。
マチルダが外出中に、マチルダの家がある事件に巻き込まれていた。
帰宅したマチルダを隣人である腕利きの殺し屋のレオンが偶然助けることになる。
孤独な殺し屋と、家族を失い孤独になった少女の2人の物語。
レオンを演じるジャン・レノのかっこよさもヤバいし、
マチルダ役のナタリー・ポートマンの目力と色気、そして何より演技もヤバいし、
麻薬取締局のスタン役、ゲイリー・オールドマンの鬼畜っぷりもヤバかった。
そして、映画としての完成度の高さと心理描写の細かさに、胸が痛い。
観終わったあとも、じわじわ来てる。余韻がすごくて気持ちが切り替わらない。
レオンを久しぶりに見ていたら、レオン当時のジャン・レノが、わたしが思っていたより若くてまず驚いた。
当時実年齢46才だったようですが、30代ぐらいに感じた。
そして、殺し屋のはずのレオンのピュアさと切ない生き方にじわじわ来るし、
マチルダの大人ぶった子供で危うい感じに、ハラハラもさせられる。
また変な邦題問題になっちゃうんだけど、
当時のコピーはウィキペディアによると【凶暴な純愛】だったらしいけど、これにも疑問を感じる。
殺し屋の話で、えげつない表現も多々あるけれど、レオンとマチルダの関係に凶暴さは感じないし、
レオンも仕事として遂行しているだけで、凶暴さは感じない。
ゲイリー・オールドマンが演じている役のひとのほうが、はるかに凶暴性を感じたので、
2人の関係性を現すのに、凶暴は違和感がある。
大人ぶっていて、実際周りの同世代よりはだいぶ大人っぽい部分もあるんだけど、
マチルダはやっぱり子どもで、そういう部分をレオンならではのやり方で支えていて、
子どもだからこそマチルダに支えられるレオン。
若いときは、レオンのかっこよさとか上っ面の部分しか入ってきてなかったなぁと、
この年になって改めて観て思った。色々と切なすぎる。
実際、マチルダと行動を共にすることで、レオンの運命もだいぶ変わってきてしまうんだけど、
生きる意味とか、誰かを心の支えにすることとか、マチルダの気持ちとか。
感動とかじゃなくて、切なすぎて何度か泣いた。
レオンは多くを語らない比較的静かな作品な分、
観る人によってだいぶ解釈がかわりそうな作品ではあるけれども、
だからこそ、その人の生き方や価値観が感想にダイレクトに反映されそうです。
初見の方も、もちろん観てみて損はない作品だと思うし、
一度観たことのある人も、何かしら新しく心に響く作品だと思います。
ただし、気軽に観てはいけません(笑)
感受性の鋭い時は、わたしみたいにかなりダメージをくらうことになるかもしれないので。
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