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【映画】12人の優しい日本人 自分には人を裁く権利があるかという深いテーマを問う三谷コメディ

1991年の作品です。2017年現在の今から26年も前の作品になります。

洋服などに多少の古臭さは感じますが、脚本と演者のすばらしさでどんどん引き込まれてしまう三谷幸喜脚本の映画です。

 

12人の優しい日本人【HDリマスター版】 [DVD]

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こちらの作品はもともと舞台なので、映画というよりは舞台を観ている感じです。

ごくごく普通に暮らしている一般市民の男女が12人集められて、とある殺人事件が有罪か無罪かについて話し合う二時間です。

テーマは重そうですが、あくまでコメディ。軽快に笑える箇所もふんだんに盛り込まれていて、

笑いながらも、時にシリアスに自分の内面と向き合ってしまったりもします。

12人の怒れる男』のオマージュとしても有名です。併せて観ると面白いです。

 

 

 

 

12人の優しい日本人の公開当時はまだ子どもでしたが、大人になってから初めて見て、かれこれもう視聴は5回目ぐらいでしょうか。

そのぐらい大好きな作品です。

ことあるごとに観ていますが、不思議です。見るたびに感想が変わります。

初めて見たときは、日本ではまだ陪審員制度がなかったため実感として受け止めきれなかったですが、

今や日本でも裁判員制度があり、偶然その役に選ばれてしまえ凶悪犯罪を自分の手で裁くことが人生で起こりうるようになりました。

そういった意味でも興味深く観られます。

 

 

仕事や年齢も暮らし向きも様々。利害関係のない人々が12人も集まって、今までの自分の人生で培ってきた価値観や生き方をさらけ出します。

そもそも12人も成人が居て、話がまとまるわけがない(笑)

弁の立つものもいれば、口が達者なものもいる。

頑固なものもいれば、気弱な人もいるし、そういうのをうまくまとめる脚本力はさすがとしかいいようがありません。

 

12人の登場人物、誰に感情移入するか、誰に腹が立つのか。

観るたびに変わります。たぶん自分が今置かれている環境や価値観に左右されるんだと思います。

ちなみに、わたしは個人的に今回「話し合いがしたい」と言いまくる陪審員2号に猛烈にイライラしました。

今まで観ていたときはそんなこと思っていなかったのに、なぜか今回終始腹が立って仕方なかったです(笑)

そして、これは毎回なのですが、ずっと冷静に場を仕切っていた陪審員1号の一言にハッとさせられます。

最初は面倒がっていた陪審員12名がだんだん楽しくなってきて、お祭り的なテンションになっていたときに、頭から冷や水を掛けられる瞬間があります。

 

最近はすぐネットで炎上事件があって、ちょっとした言動で一般市民から総攻撃を受け、

法律的にだけじゃなく、社会的に裁かれる例も増えました。

人が人を裁くということはどういうことなのか、終始笑いながら、観終わったあとに余韻でなんとなく考えさせられます。

もし、自分が裁判員に選ばれてしまったら、<正解>を導きだせることができるのか、怖くも感じました。

 

有名な作品なので、観たことある人も多いと思いますが、改めて観てみるとまた感想が変わるかもしれません。

12人の【優しい】日本人とはどういうことなのか、そこにもこの作品の意味が込められていると思います。

舞台も何度も再演されているようで、また再演することがあれば次こそは絶対観に行きたいです。

 

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